前回は、熱処理を行う金属の組織の種類についてお話ししました。フェライト結晶、オーステナイト結晶、マルテンサイト結晶、セメンタイト、どれもそれぞれ個性的な性質を持っていました。今回は、その続きです。
【パーライト】
炭素量0.77%の炭素の鋼がA1変態点(723℃)で生じた共析晶(フェライトとセメンタイト)です。フェライトとセメンタイトが薄い層で交互に並び、層状の組織になります。0.77%より大きな炭素量の場合フェライトが多く析出され、パーライトは少なくなります。パールのような輝きを持ちます。硬さは240HV程度です。柔らかいフェライト、硬いセメンタイトが層をなすことで、粘り強い性質を持ちます。
【ステダイト】
リン化鉄とリンを含むオーステナイト結晶との共晶です。
【レデブライト】
オーステナイトとセメンタイトの共晶です。鉄鋼材料を冷却すると、1148℃で出現します。
【複炭化物】
2種類以上の元素が化合してできた金属間化合物です。鉄と、炭素、モリブデン、タングステン、バナジウム、クロムなどが化合します。
【繊維状組織】
複数の繊維を1つに束ねたような形の組織のことです。繊維状組織は、再結晶温度(450度以上)に加熱することで、元々の標準組織に戻すことができます。